私が、捜査第二課の特捜班長駆け出しだったころ、応援捜査員に対して、大型事件の捜索について指示していたのを聞いていた上司が、私に言ったことがあります。
「お前は分かっているだろうけど、お前のいうことは10人中、2人しか分かっていない。その2人も部屋を出たら忘れる。だから指示するときは同じことを3回言ってやれ。」
それから、指示するときは、同じことを繰り返し、繰り返し話すようにしています。
一方で、捜索の応援に来た少し癖のある某署の鑑識の主任からは、「下も見ず、体制表も見ずに、ひとりひとりの捜査員の役割を指示する補佐は初めて見た。この捜査は信頼できると思った。」と言われたことがありました。
私は、捜査員に調書や報告書を書かせる際には、必ずポイントを指示します。ここがポイントで、なぜ、この供述なりが必要なのかという指示や、こういう言い訳をするだろうから、ここはこういう話をさせるとかの取調べを指示していました。
それで、供述調書なり、捜査報告書なりが60%の内容であがってきたなら、100点であり、捜査員を褒めて、足りない部分は補充したら良いだけのことです。
「とりあえず聞いてくれ。」とか「とりあえず調書をあげてくれ。」という指示をしておきながら、上って来た報告を聞いたり、調書を見て、「何でここは聞いてないんや。」とか「全然かけてないやないか。」とあとから批判する上司や指揮官なら必要ありません。
指示をする相手は、「自分」ではありませんし、「自分」と同じ考えを持って、同じようには出来ません。
「自分」が分かっていても、指示する相手が分かっているとは限りません。「自分」が出来たからと言って相手が同じように出来るわけではないのです。
「自分」が分かっから、「自分」が出来たからと言って、指示する相手も当然に「自分」と同じように分かったり、出来ることは無いのです。



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