前回の続きです。
警察本部で考えてみましょう。被疑者がどこで勤務しているか分かりません。捜査第一課であったり、生活安全企画課であったりしても、一般人にとっては、何階にあるかは分からないでしょう。
なるほど、勤務する課が判明しているなら、課内にある被疑者の机や更衣室のロッカーは捜索出来るかもしれませんね。
しかしながら、被疑者が一階の食堂で、食事をして、その際に、ゴミ箱に廃棄した証拠品をどのように押収しますか。最上階にある道場に置いてある武道具や武道着はどのように押さえるでしょうか。
捜索すべき場所を、マンションなどでは、被疑者の居室などとすると被疑者の居室に通じるエレベータや通路に置かれているゴミ箱などはどのようにして捜索するのでしょう。
一度の捜索差押許可状で漏れのない捜索をするのが、鉄則であり、押さえるべきものを全て押さえなければなりません。重要な証拠品を隠されたり、移されたりすることも想定しておかなければなりません。
私が、帳場長として、「捜索すべき場所」は、「被疑者が使用する机、ロッカー、キャビネットなどが置かれている場所及びその周辺」としました。
〇〇課などに限定するのではなく、「置かれている場所」とし、このようにすることによって、被疑者が勤務している場所や階以外の更衣室などが、「使用している物が置かれている場所」として、捜索することが可能となりますし、机などの周りに置かれているゴミ箱も「その周辺」として、捜索することが可能となります。
また、「被疑者の居室及び被疑者が共有あるいは占有している場所」という記載をすれば、居室はもちろんですが、被疑者の居室に至る通路やエレベータの中も捜索可能ですし、自転車置き場や資源ごみを置いている場所なども捜索が出来ることになります。
ビル全体を暴力団が使用している場合や、官公庁のように中の様子が分からない場合などがあると思いますが、そのようなときは、その旨の捜査報告書を添付して、前記のような「捜索すべき場所」を記載して、捜索差押許可状を得るようにすべきです。



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