Eva(公益財団法人動物環境・福祉協会Eva)

糧になった

刑事

 前回の続きです。

 郵便料金のシステムを彼に話して、彼ともうひとりにその捜査を命じたのですが、その捜査は、ダイレクトメールを依頼した業者をひとつひとつ当たって、贈賄業者に保管されている資料と突き合わせて、封筒の大きさや重さで郵便料金を換算し、そこに割引率の条件を適用させて、正規料金をはじき出すというものです。

 しかし、いつ郵便局に持ち込まれたのかということを特定することに加え、郵便物を一括した重さで郵便料金を算定しており、かつ、記録が無いということで、あくまでも「金額」ではなく、推定の「料金」となってしまいます。

 彼ともう一人の捜査員は、当初、私の意図すべき捜査を理解出来ず、そのことについて、彼は「叱られた。」と表現したのだと私は理解しまいした。

 正規料金がはじき出されるのであれば、当時、郵便局員は公務員ですから、「背任」で問える事件となるのですが、このことについては、刑事部長検事と丁々発止の問答を行ったのですが、ここでは割愛します。

 現在のようにパソコンの表計算などがあれば良いのですが、当時は、ワードプロセッサーの時代ですから、手渡されたフロッピーには、「血の汗と涙の結晶」と書かれていましたが、叱られたことを嫌だと思っていたならそのように書いて私に渡すことは無かったと思います。

 彼には、「本当に血と汗と涙の結晶やな。」と返すと、彼は「叱られたおかげで救われました。」と言って来ましたが、それが、彼なりの捜査員としての矜持だったのだと思います。

 彼は、その後、刑事課長として赴任した先で、体感器をつかっていたゴト師を逮捕したのですが、リズムのよる体感器なので、熟練すれば、体感器を使わなくても同じ結果が出るはずであり、果たして起訴してもらえるのかという不安にかられたみたいです。

 彼は、既に、数字をより客観的な事実として疎明することを「血と汗と涙の結晶」で学んでいましたので、体感器を使えば、どれくらいの確率で大当たりとなるのか、通常ならどれくらいの確率で大当たりとなるのかということを、パチスロ台の大当たり周期を業者からの聞込みを踏まえて、通常の大当たりの客観的な証拠となる数字をはじき出して、起訴に持ち込んだと話してくれました。

 まさしく、叱られたと感じた経験が、血と肉になった結果だと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました