Eva(公益財団法人動物環境・福祉協会Eva)

リベンジ

組織

 署長時代に決裁をしていると「リベンジポルノ」と記載された本部が作成した資料が目にとまりました。

 「リベンジポルノ」というのは、法律的には「私事性的画像記録の提供」を指しているようで、マスメディアが何の疑問も持たずによく使っている「リベンジポルノ防止法」「リベンジポルノ対策法」という法律は存在しておらず、マスメディアが報道するのに都合よく改竄しているだけで、正式な法律名は「私事性的画像記録の提供等による被害の防止等に関する法律」です。

 マスメディアが都合よく改竄している法律用語は多々ありますが、代表的な例は、警察から検察庁に送致する際に「送検」という言葉を使っていますが、裁判の手続きを記載した刑事訴訟法にそのような語句はありません。

 「送致」あるいは「送付」という法律用語しかないのはみなさんがご存じの通りで、現場でそのような言葉は使いません。

 マスメディアが先行して「リベンジポルノ」という言葉を使用して、それに追随するように警察庁や警察本部が「社会で認知されているから。」「世間で使われているから。」という理由で使っているのなら言語道断どころか、性的暴行を警察組織が自ら行っているのと同じです。

 その後、署の幹部に理由を説明して「せめて署では「リベンジポルノ」という言葉は一切使わないでほしい。」とお願いしました。

 今はスマホなどもあって「私事性的画像記録」は簡単に撮れて、恋人同士のときなどはその記録をお互いに提供したり、共用したりしていたとしても、関係が破綻したときに、その「私事性的画像記録」を相手方に断りもなくSNSなどのインターネット上などに提供すると瞬く間に拡散することになって取返しのつかないことになります。

 ご存じのように、2013年10月に京都市内に居住する被疑者が、のちに三鷹ストーカー事件とマスメディアが報道することになった元交際相手の女子高生を刺殺し、交際中の私事性的画像記録をインターネット上に配信したことを機に出来た法律が「私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律」です。

 「リベンジ」とは「雪辱を果たすこと」であり、「雪辱」とは「辱めを拭い去ること」です。

 なぜ、恋人関係や婚姻関係を解消した者が、何の落ち度もないのに「リベンジ」されなければならないのでしょうか。ましてやその被害者たちの尊厳を守るべき警察組織が「私事性的画像記録の提供」をリベンジポルノと呼べば、恋人関係をや婚姻関係を解消した者に二次的な性的被害を与えるのと同じことなのです。

 蛇足になりますが、「雪辱」は「果たす」ものであって、「屈辱」は「晴らす」ものです。「雪辱」は積極的な行為によって「果たす」こととなりますが、「屈辱」は心に残っている辛いことを払いのけて快くすることで「晴らす」ので、行為ではなく、気持ちの切り替えになるので、そのように覚えると誤用することは無くなると思います。

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