警備員や店員が万引きを現認して店外に出たのを確認して、店内の事務室まで同行を促し、警察に通報する場合があります。
ご存じのように「万引き」は、商品の対価を支払わずに店を出たから成立するわけではなく、店内で商品を所持する鞄やポケットなどに隠匿した時点で成立しますが、警備員や店員は念のために店外に出たところで声をかけているだけです。
現行犯人逮捕手続書の「事実の要旨(現行犯人と認めた理由と)」に万引きした商品名を詳細に記載しているのを決裁ではよく見かけましたが、果たして、それで良いのでしょうか。
万引きを目撃した状況などを警備員や店員を立会人として、写真撮影報告書を作成していますが、その位置から万引きした商品名などがはっきりと分かるのか否かということを考えてください。
万引きした商品棚に菓子が陳列してあるのは分かるでしょうが、商品名や販売価格まで見えて分かるでしょうか。
例えば、チョコレート売り場で赤い棒状の筒に入った菓子であるなら「赤い筒状箱入りチョコレート 1個」と万引きの被害品を事実の要旨に記載したら足ります。コミック本を売っている商品棚であれば「コミック本 〇冊」と記載したら良いのです。
引き当りなり、目撃状況の見分などをし、さらに押収(強制なら「差押」、任意なら「領置」)して、万引きされた商品名が明らかになるのですから、その時点で「被害品の判明について」という報告書によって、万引きされた商品名の詳細や販売価格を特定するのです。
そのことによって、現行犯人逮捕手続書の事実の要旨と送致事実が異なることになるので、「送致事実について」という報告書を専務である刑事課員が作成することとなります。
これは「事実の要旨」に記載する「犯行(被害)時間」についても「犯行(被害)場所」についても言えることで、現行犯人を逮捕したときには、時間や場所の詳細については分からないことが一般的であり、特定できる範疇の時間である「〇〇分ころ」や「建物の名称」などで足り、逮捕後に「犯行(被害)日時と犯行(被害)場所の判明について」という報告書を作成し、当然ながら前述した「送致事実について」でも記載することになるのです。
本来であればもっと詳細に教示したいのですが、それは個別なり、機会を得たときにしたいと思います。



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