Eva(公益財団法人動物環境・福祉協会Eva)

それぞれの捜査手法

捜査

 初めての勤務だった交通部理事官から、これまた初めての勤務となる生活経済課長へと異動を命じられました。着任した生活経済課はいくつかの事件をかかえていましたが、すぐに着手するにはいくつかの段階を踏まなければならないという感じでもありました。

 最初に気になったことは、「捜索をすれば何とかなる。」という捜査でした。例えば、廃棄物の無許可の収集・運搬(廃掃法違反)を立件する際に、当然、無許可の収集・運搬業者に依頼した者がいるはずであり、委託基準違反として突き上げ捜査をすべきものです。

 しかしながら、捜索を先行実施すると、当然、警察が捜査していることは、無許可の収集・運搬業者だけではなく、委託基準違反を犯している業者にも勘づかれてしまいますし、警察対策も立てられることとなります。

 他にも、インターネットでブランド品の偽物を販売している場合なども商標法違反ということで捜索し、現場に販売するためのブランド品の偽物があった場合は商標法の販売目的所持で現行犯逮捕することとなります。

 しかしながら、販売者つまり被疑者が偽物として認識して販売しているということについて捜査を尽くさず、安易に捜索をしてしまい、偽物のブランド品さえ所持していたら販売目的所持が成立するからそれで立件すれば良いという考えが蔓延しているような雰囲気でもありました。

 先行捜索を否定するわけではありませんが、先行捜索をする以上、捜査を相手方に察知されるわけですから、その対策を考えて、ち密な捜査や指揮を行っていたのかということが気になったわけです。

 この考え方を刑事部出身である私が捜査員に浸透させるというのは並大抵ではなく、私の指揮を聞かずに「事件を辞めろというのか」と抗議する捜査員もいて、捜査を通じながら徐々にではあるものの、考え方を浸透させていったのですが、1年で異動することはなく、当時の部長からは「もう少し、保安捜査を立て直して欲しい。」と言われて、もう1年、生活経済課長をすることとなりました。

 警視になって1年間は、捜査第二課において、事件捜査に携わっていたのですが、その後は、警察庁出向、地域課次席、警務課次席等、副署長、交通部理事官と6年以上に亘って、事件指揮をすることがなかったので、願ったり叶ったりという気持ちでした。

 捜査員に浸透させた突き上げ捜査をする場合や背後責任を追及する場合についての捜査手法や前述した廃掃法違反や商標法違反における「事実の錯誤」を抗弁した場合に対応する捜査などについては、ここでの記載は省略しますが、機会があれば話してみたいと思います。

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