生活経済課長になって2年目のことですが、某署から『「賃貸マンション内で民泊がなされている。マンションの住民は出入口がオートロックなのに毎日違う中国人が部屋を出入りしている。」という苦情が寄せられ、自治体に対して旅館業法よる立入りを求めたり、旅館業法違反の告発を求めているが木で鼻をくくった反応しかない。』という相談が寄せられました。
「旅館業」とは「宿泊料を受けて人を宿泊させる事業」と定義されており、「宿泊」とは「寝具を使用して施設を利用すること」とされています。アパートや間借りなどは貸室業、貸家業であって、旅館業には含まれず、例え休憩できるインターネットカフェやサウナなどは旅館業には含まれません。
旅館業法は、旅館業の適正な運営を確保すること等により、旅館業の健全な発展を図るとともに、宿泊客の需要のニーズにあわせたサービスの提供を促進し、公衆衛生及び国民生活の向上に寄与することを目的として定められた法律ですから、許可を得ずに旅館業を営んだ者は、3万円以下の罰金という微罪でもありました。
旅館業等の特区など規制改革の潮流に乗って、マンションや古家を利用した無許可の民泊が横行し、雨後の筍のように出てきて、その経営は濡れ手に粟という状態でした。
民泊を利用する外国人は、アメリカを本拠とするホテル等の仲介業者を通じて無許可の民泊を利用していましたが、日本の法律にはホテル等の仲介業者に対する警告や検挙が出来る法律は存在せず、旅館業等を指導する立場にある自治体は民泊の実態すら把握しようとしていませんでした。
苦情を受けた警察署は、公衆衛生を管轄する保健所やその上部組織である自治体に対して、前述したように立入り調査を依頼するも一向に動く気配はなく、ならば警察で何とかしようと、法律上、軽微な犯罪であることから告発を求めても、それに応じるどころか、「いちいち指示するな。」と公務員としての義務を果たすことなく、文句を言われるという状態だったのです。
違法な状態であり、かつ住民が不安を抱いている状態を放置することは警察行政の根幹に関わることでもあり、自治体の立入りや告発を待っていては、安全で安心は町は崩壊することにもなりかねませんので、私が責任を持つことを決断して、民泊をしているマンションに捜索を打つこととしました。



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