逮捕現場で取材していたマスコミは京都からついていった人たちだったですが、現場の状況を聞くと「(ガラスを割るくらい)あたりまえでしょう。」という態度でしたし、被疑者が居た部屋の大家も承諾していただいてましたので、現場においては、捜査を非難する者は皆無でしたが、全国ネットで放映されたことから、視聴者に「やりすぎ」とか「言葉が汚い」という批判をされたのでした。
突入した捜査員は非常にまじめな男で、ぞんざいな口もききませんが、事件後、その捜査員が保育園に子供を連れて行ったところ、保育士さんから「テレビ見ましたよ。」と言われ、子供からは「お父さん。待ってって言うてはるのに何であんなことしたん。」と言われたみたいでした。
また、マスコミの女性陣からは、「捜査員が引き上げたあとに(現場の班長である)補佐が一人でガラスをはいて片付けていました。なんだかかわいそうになりました。」という報告も後日受けました。
被疑者は予想通り、「完全黙秘」「調書への署名拒否」であり、その指示も検察官出身の弁護人から出ており、さらに弁護人自体が被害者に対して「被害額の倍を支払うので被害届を取り下げる」ように働きかけていました。
弁護人は、被害弁済や損害賠償を支払うとして、被害者に接触してきましたが、通常は、特商法に定めるクーリングオフ(契約解除)は8日(20日の規定もあります。)ですが、不実の告知や書面不交付という特商法違反で捜査しているわけですから、クーリングオフは無期限でできることになります。
被害者に対しては、正当な権利としてクーリングオフによって、お金を返してもらうことが出来ますので、お金を返してもらっても被害届は取り下げる必要はないことを説明して公判を維持できるように被害者を確保していたのです。
詐欺事件で、かつ共犯事件において完全黙秘のまま起訴となった例はほとんどないと思いますが、逮捕事実全てで起訴となり、これは拠点を急襲できなかったことから、捜査員が何度も捜索を行い、証拠を収集分析し、被害者の選定にあっても意思の強い方々を選択した結果でした。
被害者に対する思いや捜査員が事件にかける執念と熱意の捜査の結果であって、詐欺事件を主に捜査している捜査第二課にも劣らない立証をしてくれました。
被疑者は公判において、いずれも有罪となりましたが、ときには罵詈雑言やいろいろな批判を浴びながらも、捜査で結果を出した捜査員には頭が下がる思いで、今、巷で問題となっている霊感商法の宗教など、いままで戦おうともせずに世論がついた途端に叩き始めるという姿を見るにつれ、捜査員の矜持とは比べようもないと思わずにはいられません。



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