事件が発生したり、話し聞く必要があったときに、幹部が「とりあえず行ってこい。」「とりあえず聞いてこい。」と指示したとします。
一見、部下を信用しての指示のように見えますが、事件の報告や事情聴取結果を聞いたときに「これが抜けてる。」「なんで聞いてないんや。」という言い方はしていないでしょうか。
有名な逸話でもあり、誰もが聞いたことがあると思いますが、アメリカ大陸を発見したコロンブスは、大陸の発見は誰にでも出来ることだと批判する人々を前にして、卵を立てるように促したところ、誰も出来ず、コロンブスが卵のお尻を割って立てて見せました。
やはり、批判する人々は「それなら自分でも出来る。」と口々に言ったみたいでしたが、それを受けてコロンブスは「最初にする。」ということが大事であり、難しいのだと言ったということです。
警察職員は「批評家」や「評論家」ではありません。他の警察職員が聞いたことを批評することも評論することも必要ありません。
「とりあえず」という前に部下に対しては、何を押さえるべきなのか、何を聴き取るべきなのかという明確な指示を出して下さい。
いくつかの指示を出して、60パーセントの出来であれば100点であり、「良く出来てるな。」「良く書けているじゃないか。」と褒めてあげてください。調書や報告書で足らない部分があれば補完したら済むのですから。
「あれほど指示しただろう。」「言ったはずじゃないか。」「何でかけてないんや。」「これが抜けているやないか。」と言った言葉はぐっと飲みこんで下さい。
部下や相手は決して自分ではありません。気を付けて欲しいことは、自分が出来たからと言って、部下や相手が出来るとは限りません。得手不得手もあります。得意なところから伸ばしてあげてください。
本人の努力も必要ですが、少しでも「出来る」という警察職員を育てるのも同じ「警察職員」しかいないのです。



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