Eva(公益財団法人動物環境・福祉協会Eva)

言葉を尽くす

思い

 小学2年のころ、どうしてもお祭りに行きたくて、お金は持っていませんでしたが、親の目を盗んで、宵の時間に譲ってもらったお古の自転車に乗って神社に出かけ、夜店の灯りなどの幻想の世界を味わって帰ろうとすると自転車が無くなっており、夜道を歩いて帰り、黙って出かけたことに加えて親からこっぴどく叱られたことがありました。

 数か月が経った夏のある日、ぷらぷらと歩いていると大きな門がある農家があり、ふと中をのぞくと盗まれた自転車が小屋の前に置いてありました。

 その前で小さな女の子が二人、地面に絵を描いて遊んでいたのですが、「これは僕の自転車だから」と断って自転車に乗って、その場を離れました。

 自転車が返ってきた嬉しさのあまり、一頻り、自転車に乗って自宅近くに帰ると同学年くらいの小学生の男の子と数学年上の男女が数人集まっていて、「どろぼう。自転車返せ。」と口々にののしられ、その場でつるし上げの状態になってしまいました。

 今でこそ、コミュニケーションを取れるだけの言葉を発せられますが、当時は口下手で多勢に無勢という状態でもあり、黙っていたところ、相手方は自転車を強制的に持ち去ろうとするので自転車に必死にしがみついていました。

 騒ぎを聞いたのか、母親が出てきて、白いペンキで覆われてはいるものの、その下には私の名前が書いてある泥除けを指して、私の自転車であることを説明し、しぶしぶではあるものの、納得したのか相手方は帰っていきましたが、謝罪の言葉はありませんでした。

 自転車を盗んだ相手には守ってくれる仲間や同級生がいるのに私には守ってくれる仲間や同級生はいないという現実も見てしまいました。

 人生の中には「理不尽」と思えることはたくさんありますし、一所懸命説明しても理解が得られるとは限りません。多数決が民主主義であるのであれば、仲間がいれば盗みも正当化されるということも知りました。

 警察組織は「愚直」こそ至上と言い続け、警察職員もそうあるべきだと言われてきました。果たして愚直だけで真意が伝わるのでしょうか。

 「おかしい。」「違う。」と思うことがあれば、口にすることを忘れないようにしてください。もし自分が間違っていても、間違いにきづくことが出来ますのでおそれることはありません。

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