Eva(公益財団法人動物環境・福祉協会Eva)

人の心は複雑

取調べ

 警察職員の中には臨床心理士の方もいらっしゃいますが、多くの警察職員はそうではなく、心理カウンセラーでもありません。しかしながら、取調べをはじめとして、被害届の受理など相手の心情に配意しながら内容を聴取し、虚偽が無いかなども見極めていかなければなりません。

 オウム真理教のように、信者を「洗脳」して犯罪を敢行させたことがありました。犯罪を敢行した信者を取調べる刑事(公安課の取調官)は、先ず「洗脳」を解かなければ取調べになりませんし、ましてや死刑になる可能性が高く、並大抵の取調べでは無かったと思いますが、自分の行動を悔い改めさせて、自供を得ています。

 犯罪や恋愛においてもそのような「洗脳」に近い状態に陥ることがあります。

 誘拐事件や監禁事件などの犯罪被害者についての臨床において、被害者が生存戦略として犯人との間に心理的なつながりを築くことを「ストックホルム症候群」と言います。

 1973年、ストックホルムの銀行で二人組の強盗が4人の人質を取って、立てこもる事件が発生し、131時間に及ぶ監禁状況の中で、人質は次第に犯人らに共感し、犯人にかわって警察に銃を向けるなどの行動を取るようになり、人質の中には解放後に犯人をかばう証言を行う者やそのような感情を抱く者などが現れたことから、こうした極限状況で起こる一連の心理的な動きと行動が、「ストックホルム症候群」と名付けられたのです。

 これと対極にあるのが、「リマ症候群」で、人質監禁の犯人が被害者に次第に親近感を抱き、攻撃的態度が共感へと変化していく現象であり、1996年のペルーのリマで発生した日本大使公邸占拠・人質事件で、人質解放のために特殊部隊が突入した際に、人質監視役の犯人は、被害者との間に芽生えた親近感から人質に発砲出来ず、特殊部隊に射殺される結果となったのです。

 通常の警察活動においては、このような「ストックホルム症候群」や「リマ症候群」に出会うことは無いと思われるでしょうが、そうではありません。

 特に、男女の関係においても、この「ストックホルム症候群」が多く見受けられ、取扱いを間違えると殺人事件や傷害致死事件を防ぐことが出来なくなります。

 被害者の「これ以上かかわらないでください。」「警察は必要ないです。」と加害者をかばう、あるいは、警察を遠ざける言動があっても鵜呑みにすることや放置することなく、事実に即して警察力を行使する必要があります。

 一時的には被害者から詰られ、あるいは罵倒を受けることもあるでしょう。結果として被害者からの処罰意思が取れずに不起訴となることがあるかもしれません。しかしながら、被害者を守ってあげられるのは警察であるということを肝に銘じておいて下さい。

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