東京で勤務した2年目は、心に余裕が出来たこともあって、せっかくだから出かけてみようと思ったのが、中島みゆきの「夜会」です。
中学2年のときに札幌に住んでいたのですが、そのころ、「アザミ嬢のララバイ」でレコード・デビューして、すぐにポピュラーソングコンテストにおいて「時代」を歌い、グランプリを受賞しました。
札幌では、レコード・デビュー前からかなり有名な方で、少し浮世離れされたような女性でもありました。
警察官を拝命するころには、ラジオ放送のパーソナリティーとして、その軽妙な語り口で人気となっていましたが、話し方と歌い方のギャップに本当に同一人物かというくらいの驚きもありました。
リスナーから「容姿で虐められる。生きていくのが辛い。今度コンサートに行く。」と手紙が来て、彼女は「もう分かっているよね。誰が悪いか。」と話し、コンサートには「あんたはあんたのままでおいで。」と語りかけたこともありました。
30歳を過ぎたころから、新曲を発表しながらミュージカル仕立てのひとり芝居である「夜会」を毎冬行うようになりました。
彼女が紫綬褒章を受章したとき、著名人がいろいろと理由をつけて断ったり、批判したりする中、辞退などしたら二度とそんなことはない普通でないことなのですから、即座に「いただきます。」と返事して「棚から本マグロ」とコメントしたときは笑ってしまうと同時に非常に魅力的な人だと今更ながらに感心したことを覚えています。
歌自体はもちろんのこと、彼女の感性とか、知性がありながらもそういうことをひけらかさないところに好感を持っていましたが、コンサートに行くとかレコードを買うということまではありませんでした。
人生の中で、レコードを買ったことは一度しかありませんし、コンサートなんて行ったこともなかったのですが、東京に出てきた今しかないという気持ちが高揚して、チケットを2万円で購入して「夜会VOL.16~夜物語~本家・今晩屋」に出かけて行きました。年の瀬も迫った12月5日20時からの開演で、赤坂にあるACTセンターで行われましたが、2万円の価値は十分にありました。
調子に乗って、そのころはあまり有名で無かった奥華子という歌手のクリスマスコンサートに出かけて行きましたが、それ以来、コンサートに行くということはありませんでした。単身赴任という気軽さもあったのかもしれません。



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