詐欺事件や贈収賄事件、選挙違反事件などは「内心」を供述調書にすることが重要となってくるのですが、それがなかなか文章に出来なかったり、引き出すことが出来なくて、供述調書作成時に四苦八苦することとなります。
本件の地面師詐欺で再逮捕するために、無銭飲食を担当してもらった副検事に無銭飲食以外の詐欺の余罪があるので再逮捕する旨連絡を入れたところ、「どうぞ。どうぞ。」と二つ返事でした。
少し不安になったので、地面師詐欺の事件チャートを副検事にファックスすると「ちょっと待ってくれ。こんな事件は持てない。検事に持ってもらうから。」と言われました。
詐欺の構図自体は、そんなに難しいものでもないとは思ったのですが、主任検察官が決まってから、逮捕状を請求し、逮捕後、拘留を得て、起訴となりましたが、取調官は最後までMさんに担当してもらいました。
当時は、500万円以上の被害に係る詐欺事件は、本部長指揮事件でしたが、実際は指揮簿をあげても、主管課である捜査第二課から応援が来るはずもなく、実際に署だけで出来る事件と判断していましたが、指揮簿をあげると案の定、署でやってくれというものでした。
事件は起訴となり、終結してしばらく経ってから、刑事企画課が「なんで報告が無いんや。刑事部長が本部長賞誉上申すべきものやって言ってる。」とわいわいと言って来ました。
別に指揮簿も上げてるし、何を言っているのやらと思いながらも、主管課の捜査第二課の補佐に電話すると、署単独で無銭飲食から展開させた捜査に加えて社会的反響も大きな事件だという評価は高かったのですが、補佐の判断で本部長賞誉は辞退させてもらったということでした。
この捜査第二課の補佐は、大先輩でもあったのですが、腹も座った人であり、その補佐曰く、「〇〇(私の名前)に取ったら大した事件でもないだろう。応援を出したり、本部長賞誉を上申するほうが失礼だろう。」ということでしたので、事件の評価よりも実力を買ってくれているということが嬉しく思えました。
その後も、隣接県が舞台となっている大型事件の被害者から相談を聞いた際、隣接県に告訴するように指導した事件で、隣接県警察から捜査第二課に苦情めいた電話があったときに対応してくださり、「〇〇(私の名前)が判断しているのだから間違いない。」と隣接県警察をたしなめてくれたこともありました。
しかしながら、今思えば、取調べを担当してくれた研修生のMさん個人に本部長賞誉を渡してあげたら良かったと少し後悔しています。



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