Eva(公益財団法人動物環境・福祉協会Eva)

「とき」の概念

刑事

 長い間、捜査書類を作成したり、決裁してきましたが、その中に「犯行時刻」とか「犯行時間」などという記載が出てきます。犯罪事実でいうと「犯行日時」となるのですが、これは「時刻」なのか「時間」なのでしょうか。

 「時刻」と「時間」は、それぞれが指している「とき」の幅に違いがあります。「時刻」とは、ときの流れの中にある一瞬、時点を指す言葉であり、「時刻」と「時刻」の間を表すのが「時間」です。つまり、ある程度の幅を持ったときの長さには「時刻」は使われません。

 身近な例では、「出発」や「到着」の「とき」は「時刻」であって、電車の「時刻表」となり、時刻を告げるのも、「ただいまの時刻は午前7時30分です。」と使うこととなります。

 犯行時刻となると「犯行をときの流れの中にある一瞬、時点を指す。」となると「頃」といいう表現は使えなくなるのかもしれません。

 「頃」については、「時刻」の前後を表す言葉であり、それが数分であるのか、10分以上であるのかは、その状況にもよるのでしょうが、犯行であるなら「数分」つまり、「2、3分」の幅となります。

 そのようなことを考えた場合には、「犯行時刻」というよりかは、「犯行時間」のほうが適切な表現なのかなと思います。

 なかなか「とき」の概念というのは難しいものがあります。この「ときの概念」で失敗することが結構、実務では見られます。

 例をあげますと、公職選挙法違反である「戸別訪問」先から供述調書をあげる場合に、より長い訪問で選挙違反をしたのだと強調するあまり、「10分ほど滞在していました。」とか「10分ほど話していかれました。」と記載したらどうでしょうか。

 戸別訪問の主旨は「特定の選挙において、特定の候補者を当選させるようにお願い」することですから、、果たして、その訪問や話しに10分もかかるのかということが問題となります。

 数分、いや1分もありば、繰り返して話しても十分に足りるかと思います。10分も話すということや家にいるということは、「戸別訪問」が目的ではなくて、他の用事のついでに「投票依頼」や「選挙運動依頼」をしたということになり、公職選挙法における戸別訪問の主旨がぼけてしまうことになりかねません。

 私が指揮官であれば、「ほんとかな。」と疑問を抱く供述調書となるのです。

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