少年犯罪被害者当事者の会の代表である武るり子さんは、ご自身のお子さんが殺害されるまでは夫婦はどんなことがあっても「支え合って生きていけるものだ。」と思っていたそうです。
しかしながら、講演で「事件後、同じ夫婦に戻ることは絶対にありません。」とおっしゃっていたことを今でも覚えています。
何も夫が悪いというのではなく、夫婦それぞれの子供に対する思いが強く感情に出てしまい、それは、まさしく「かすがい」が無くなったということに違いないのです。
「かすがい」は、漢字にすると「鎹」となります。「かすがい」は特殊釘のひとつで、材木と材木をつなぎとめるために、両端が曲がった大きな釘、つまり「かすがい」を使います。
そのことから、夫婦仲が悪くても、子供に対する愛情を「かすがい」ととらえて、そのおかげで夫婦の縁を切らずにいられるといううことから「子はかすがい」と使います。
夫婦仲が悪くなくても、子供が夫婦の縁を保ってくれるということでもあります。
類語で「縁の切れ目は子で繋ぐ。」とか「子は縁繋ぎ」などという言葉もあります。
材木と材木をつなぎ止めるための「特殊釘」の中には「かすがい」の一種である「目かすがい」と呼ばれるものがあります。
廊下の床板と、それを支える床下の梁材(根太)の間に小さな「目かすがい」をいくつか入れて「目かすがい」の釘穴に鉄釘を打って、固定し、隙間を作っておきます。これは床板の幅が広いために両側が多少上方に反るのでそれを吸収するために行っているのです。
こうすることによって、床板に重力がかかると隙間が押された状態となり、目かすがいが上下して、目かすがいと釘が擦れて「うぐいすが鳴くような音」がする音になります。
この構造が「うぐいす張りの廊下」と呼ばれるもので、京都では、世界遺産である二条城や浄土宗総本山知恩院などで体験することが出来ます。
「うぐいす張りの廊下」は、廊下を歩くとうぐいすが鳴くような音を発することから「忍び返し」と言われ、侵入者を知らせるための工夫だとされていますが、自然作為という説もあり、その技術自体が失われているために同様の床の制作は困難となっており、謎のままとなっています。



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