Eva(公益財団法人動物環境・福祉協会Eva)

踏ん張りどころ

刑事

 「楽しく」仕事をしてもらうために、幹部はいかにあるべきかということに触れたいと思います。何度かお話ししていますが、「楽しく」というのは、達成感を得られるということです。

 ある選挙違反事件の端緒を私の班で取得したのですが、署に帳場を設置しなければなりませんでした。

 警察という組織が選挙違反事件を捜査出来るのは、捜査員を集中的に、かつ大量に投入できるという組織性にあり、署と一体となって、着手時には応援を求めることが出来るからであり、それが必要となってきます。

 選挙違反事件の主体である組織の所在地である警察署に赴いて、事件概要を説明したのですが、知能犯係長をはじめとして、刑事課長や知能犯捜査出身の副署長すら、「そんなもの出来るか。」というけんもほろろの対応で、追い払われたことがあります。

 全く関係性は無かったのですが、隣接署の署長には仕えたこともあったことから、事案の説明をして帳場を置きたい旨を話すと、二つ返事で引き受けてもらえることになりました。

 この事件は、警察組織よりも大きな組織を相手にしていることもあり、警察庁からの再三に亘る無理な要求や組織が大きい隣接府県の警察と競合していたこともあり、検察庁が及び腰になったりとその過程は一冊の本が書けるくらいで、いろいろと挫けそうな局面が何度もありましたが、その都度、前面に立って、叩き壊す勢いで捜査を進めてきました。

 それもこれも、帳場を置いてくれた署長や不眠不休で捜査をしてくれた署の選挙違反捜査本部員に報いるためでもあり、自分自身が「楽しく」仕事をするためでもあったのです。

 事件は、毎日、新聞の一面を飾ることにもなりました。

 どんなに入り口がごちゃごちゃしてようとも出口は綺麗になるようにするのが、幹部の務めでもあり、その結果が、捜査に携わった警察職員が「楽しく」仕事をすることにもなると思います。

 その「楽しい」仕事は、長年仕事に対する思いが失せていた警察官が積極的姿勢を取り戻したり、他部門から吸い上げられていた捜査員が将来の職務の希望として「知能犯捜査」を選択するなどという形で表れてきました。

 事件後、選挙違反の帳場をけんもほろろで断って来た署のベテラン係長は、私に対して、絞り出すかのように「まさか事件が出来るなどとは夢にも思わなかった。」と謝罪されましたが、それを実現させるのが指揮官の仕事であると私は思っています。

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