「楽しく」仕事をするためにはどうしたら良いのかということですが、なかかなか難しいものがあると思います。
前回、記載した選挙違反事件の捜査について、もう少し触れてみたいと思います。
署の選挙違反取締本部員9名を吸い上げて選挙違反の内偵を進めてもらいました。もちろん、署に任せるのではなく、本部員も指揮して、事件を掘り下げていました。
もう署長になりましたが、当時は、新任の知能犯捜査担当係長をトップとして、署では、行動確認等表見的な部分についての捜査の指揮を執ってもらっていました。
ちょうど今のような盛夏で、2週間以上に亘り、毎日毎日、早朝から日付が変わるまで行動確認をしてもらっていて、ある日、その係長が「明日は遅出にして、行動確認は一旦中止にしよう。」と指示を出しました。
ところが、捜査員として地域課から応援に来ていた40歳代の巡査長が、「ここで弱音を吐いたら何にもならん。」と反対し、他の応援者全てが追随しました。
署の選挙違反取締本部には、刑事課をはじめとして、他部門から応援をもらって捜査に当たるのですが、各課ともに「エース」と呼ばれる者や仕事が出来る者を出したがらず、あまり、その課の戦力となっていない者を応援に出してくることが多いのですが、この巡査長にあってもそのようでした。
しかしながら、自分から仕事をしようという意気込みを示し、周りの応援員も引きずられるように追随したのです。
この事件は、その後、捜査が数か月に及ぶ事件となって、収束したの初冬になっていました。
この時応援に来ていた地域課員、生活安全課員、交通課員、警備課員と刑事課から応援に来ていた鑑識課員の全ての者が、年末の身上カードに、将来の配置希望の職種として「知能犯捜査」と書いたという話しを後日、指揮官の係長から聞いて、感無量であったのを覚えています。
もう退職されましたが、地域課から応援に来られていた巡査長で、「ここで弱音を吐いたら何にもならん。」と言われた方も、やる気を出して、翌年の巡査部長試験に合格されていました。
「楽しく」仕事をする、してもらうためには幹部は、指揮官は如何にあるべきかということを身をもって知った事件指揮でもありました。



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