Eva(公益財団法人動物環境・福祉協会Eva)

時間の考え方

指揮

 私たちの仕事と密接な関係がある刑事訴訟法上の時間には「直ちに」や「速やかに」という表現が使われています。

 「直ちに」とは、「時間的近接性が最も強く要求され、一切の遅延を許さない。」と解されています。但し、不可抗力による遅延は許されると解されています。

 一方、「速やかに」とは、『「直ちに」よりも近接性がやや緩和される。』と解されています。

 具体的な規定の記載は、逮捕状による引致は、「直ちに」とあり、現行犯逮捕の引致は、「速やかに」となっています。

 緊急逮捕における逮捕状の請求は、「直ちに」と記載されており、この場合の「直ちに」は前述の「直ちに」よりは緩く、「出来るだけ速やかに」と解されていますが、あくまでも「直ちに」であるので、実務では「即刻」に近いと考えなければなりません。

 110番概況を見て、ときどき「これは大丈夫か。」と思うこともあって、例えば、深夜に被疑者を発見して、本署に連れてきて、引き当りをして、緊急逮捕しましたというものもありました。

 緊急逮捕では、「逮捕の必要性」と「逮捕の緊急性」を判断する必要があるのですが、取調べや引き当りに応じている被疑者に「逮捕の緊急性」があるのかも疑問となります。

 このような場合には、「直ちに」という時間的制約を受ける緊急逮捕をするよりも、通常逮捕の請求で良いのではないかと思いますし、まさか深夜に請求出来ないと思っているのではないかと心配になってしまいます。

 憲法で保障されている身体の自由についての例外である逮捕には時間的制約があるということをしっかりと考えて、捜査指揮を行って欲しいと思います。

 緊急逮捕をするのであれば、「逮捕の緊急性」に該当するのかを考えて、捜査指揮を行い、「直ちに」という時間の概念を厳格に運用して、逮捕状の請求を行うことが必要です。

 司法巡査でも緊急逮捕の請求は、法的には可能であり、なぜ、そのように規定されているのかということを良く考えて運用するようにして下さい。

 蛇足ではありますが、署長時代に呼び出しを受けて、殺人事件の被疑者を現場で緊急逮捕させた場合には、60分以内に令状請求させていますし、「爆破予告」の被疑者の緊急逮捕については、40分以内に令状請求を行わせる捜査指揮をしました。

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