捜査第二課の特捜班長のときに必ず行った、というか、心掛けたことがあります。
事件にかかったときは、応援の者はもちろん、階級を問わず、全員を集めて、毎朝の指示と夜9時の解散前の指示をしていました。
指示の内容は、捜査の進捗状況の説明と捜査のポイントはどこなのかというシンプルな指示をしていました。
もちろん、捜査員からの質問にも細かく答えていました。
捜査第二課の事件着手は、被疑者の任意出頭からはじまります。被疑者の自供を得てから、初めて強制捜査に移ることとなります。内偵捜査から数えるとかなりの長期間の捜査が続くこととなります。
このような指示をしてきても、捜査状況が、マスコミなどに漏れるということは皆無でした。
なぜ、マスコミに捜査状況が漏れるのか。
故意に捜査状況をマスコミに漏らす捜査員はいません。特に捜査に携わっている捜査員は、被疑者の任意出頭に失敗すると捜査がどうなるか十分に分かっています。
証拠を隠滅されたら事件がどうなるかはよく分かっていますから、自らがしんどくなり、達成感も得られないという状況を招くことはするはずは無いのです。
では、どうして漏れるのか。
それは事件に携わっている捜査員が疑問を持っているからです。「事件着手はいつになるのか。」「被疑者は何を話しているのか。」「捜査のポイントはどこなのか。」という疑問を持ち、トイレや休憩室、あるいは歩きながら、捜査に携わっていない者と話すことから漏れるのです。
応援元の署に帰ったときや当直のときなどに同僚や上司に疑問を話したり、聞いたりして漏れることがあるのです。
「壁に耳あり。障子に目あり。」



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