現役時代は電車で通勤していたのですが、いつものように駅に向かっていると、自転車の後部に小さな子供を乗せて、自転車を押そうにも押せない若い女性が佇んでいました。
たぶん、子供を保育園に預けてから、出勤するのだろうという出で立ちでした。佇んでいるというのか、唖然としているというのか、その女性の横を出勤を急ぐ人たちが足早に過ぎ去ってました。
女性の自転車を見るとチェーンが外れていて、後輪のギアに巻き込まれていることから、自転車を押そうにも押せなかったことが分かりました。
女性に、「ちょっといいですか。」と声を掛けてから、サイドを立たせて、後輪を浮かすように自転車を斜めにして、手でステップを反対に回して、巻き込まれたチェーンを外しました。
そのまま、ギアの下部にチェーンを引っかけて噛ましながら、浮かせた後輪を回すとギアとチェーンが噛み合い、自転車は通常とおり、走られるようになりました。
「直りましたよ。」と女性に声を掛けながらも、電車の時間もありましたので、そのまま、駅に向かいましたが、女性はきっと外れたチェーンをはめたりすることなどなかったのか、あっけにとられたような状態になっていました。
当然の如く、手は油にまみれており、ティッシュで拭いても取れずに、満員電車ではつり革もつかめず、「ちょっとええ格好しすぎたかな。」と反省しながら職場に向かったことがありました。
古い公舎に住んでいたころに、掃除をしようとしたら、敷居のささくれが指に刺さってしまい、血も出て、ピンセットもなく、老眼にもなっているので、ささくれ自体があまり見えずに、簡単に取れそうにもありませんでした。
仕方なく、針を焼いて、少しずつささくれが食い込んだ部分を削って、最後は毛抜きを使って抜きました。
昔は、自転車のチェーンは良く外れたので、誰に教わるでもなく、元に戻す術は覚えましたし、ささくれや棘の抜き方は、野山を駆け巡ってましたので、自然といつの間にか覚えてしまいました。
今の自転車は、昔と違って、チェーンが外れることもなく、ささくれが指に刺さるということもあまりないのかもしれません。



コメント