電話の音があまりというか好きではありません。特に夜中にかかってくる電話は嫌いです。電話の音が鳴ると心がざわざわとします。
若いころに電話が鳴ると親からの仕送りの催促であったり、不幸ごとや呼び出しの連絡で、歳を経ても慣れることはありませんでした。
特に仕事が嫌いだとか職場が嫌だというわけでは無いのですが、時々、心が折れそうになりました。
警察官になって、所期の目的であった大学に通えるようになったにもかかわらず、すぐに機動隊に異動となり、新隊員訓練中に大学に通うことは不可能となって、それを口にすることすら出来ませんでした。
あまり裕福な家庭ではありませんでしたので、高校は働きながら行きましたし、夜の大学に通うために警察官を選んだにもかかわらず、機動隊へ異動となったときには目の前が真っ暗になり、何度も「警察を辞めよう。」と思いました。
副署長時代に聞いた話しです。
東北大震災に派遣された部隊は、遺族対策班として、毎日、毎日、引き取り手のないご遺体の消毒と服や遺留品を洗うことが続き、部隊員は宿舎に帰ると酒を飲まないとやっていけないような精神状態となり、いくら騒ぐなと言っても騒いでしまっていたようです。
そこで、部隊の小隊長が「お前らの姿を見たら遺族はどう思うんだ。死んでいった人たちに顔向けが出来るのか。」と叱って、静かにみんなの話しを聞きながら酒を酌み交わしたところ、次の日から部隊員の姿勢が一変して、本来の業務でもなく、言われた訳でもないのに糞尿まみれで使えなくなったトイレを清掃して使えるようにして、住民から感謝されるようにもなったということでした。
私は、いかにも「警察組織」が好きそうな話しだなと思いながら聞いていました。強靭な精神力を持っているからこそ、そのような指導が生きたかもしれません。
しかし、警察官であっても人です。辛い仕事もたくさんあります。大声で話すのはそのストレスを発散させたいからでしょう。辛い仕事を命じるのであれば、そのストレスを発散させる場を作ってあげるのも幹部の仕事です。𠮟りつけて、情に訴えるだけでは部隊員の精神は救えないのではないかと思います。
コロナウィルスとの闘いも長くなっています。警察職員だけでなく、一般の方や家族も含めて、大変な苦労をされていると思います。せめて、ストレスを発散させる場を設けるような施策を進めてほしいと思わずにはいられません。



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