6年前のゴールデンウィークに署長として、地元の消防団の訓練査閲に招待されて現地にいたところ、東京のある地域を担当している知己の新聞記者から、ある事件が発生して被疑者の住所は私の署の管轄であるという情報が持たされました。
何らかの相談なりが署にもたらされている可能性もあり、署に戻って調査したところ、被害者の関係者から具体的な内容は無いものの「どうしたらよいだろうか。」という電話に対して、「本人が住んでいるところや通っているところ、あるいは行きやすい場所の警察へ資料等を持って尋ねて下さい。」と一般的な教示をしていたことが判明し、その時間も数分というものでした。
事件自体が社会的反響も大きく、結果の発生が重大であったことから、マスコミ等の取材に関しては、相手方が尋ねてきたことなどの内容は控え、署としてどのような教示をしたということのみを答えるように指示しました。
しかしながら、マスコミの取材ラッシュとなったことに加えて、本部のまずい広報によって、署に取材が無いままに、何とか取材合戦を制したい某局から昼の総合ニュースの冒頭で「京都府警 警視庁に連絡せず。」と全国放送されてしましました。
もちろん、警察組織間で共有する内容でもなく、一般的な教示として答えたものであり、さらに本人から既に警視庁に届けられていたあとの事件であるにもかかわらず、「京都府警が知っていたにもかかわらず警視庁に連絡しなかった。」というフェイクともいえる報道をされたことから、某局のキャップを呼んで抗議したところ、「東京が独り歩きして京都には何の連絡も受けてない。」と逃げに転じました。
今まで散々、取材に来ていたにもかかわらず、ばつが悪いのかそれ以降、某局が署に取材に来ることはありませんでしたし、一度、流した報道が間違っていても決して、それを訂正することはありませんでしたが、追従した他のマスコミもありませんでした。
その後、すぐに警察庁の意向を受けた生活安全部の幹部が、当時、教示した当直員に聞き取りをしたいと言ってきましたが、「本件は一般的な教示である。当直の責任は公舎にいる署長に責任がある。聞き取りをするのなら私が答える。」と返し、当直員個人に対する接触は禁じました。
元々、警察庁自体が官僚であり、「(真偽などはどうでもよく)炎上することを避ける」という姿勢から「現場の警察官を守る」という概念には欠けており、その意向の笊にもならないまま、命を受ける本部の生活安全部や総務部の幹部の前に人身御供的に部下をさらすわけにはいかなかったのです。
当時の当直員は、退職一年前にも同じ部署で勤務することとなりましたが、今ではサイバー犯罪対策にはなくてはならない捜査員となっています。



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