アイキャッチ画像は、事務所開設お祝いに先輩からいただいたものです。
生活経済課長の1年目に大きな事件をいくつかやっていたことから、マスコミ各社が毎日のように生活経済課に集まるようになっていましたので、当然、民泊の捜索を行うこともマスコミの知ることとなりました。
民泊は「社会問題化」していましたし、捜索の段階で流されてしまうと立件化に支障が出ることから、マスコミ各社には身柄を取るまで記事や放映をしないという約束を取り付けて、捜索を実施したところ、宿泊していた者は、中国からのパック旅行で訪日していた中国人であり、捜索したマンションは東京にある中国の旅行会社が宿泊所としていた無許可の民泊であることが判明しました。
また、当該マンションは管理会社が賃貸人が少ないことから利益が上がらず、利益を上げるために、中国の旅行会社と空き室の賃貸契約を結んだうえで、民泊を了承していることも分かりました。
先に記載しましたが、旅館業とは「宿泊料を受けて人を宿泊させる事業」と定義されていますので、旅館業法(無許可)違反として検挙するためには「宿泊額」を特定する必要があります。
「宿泊額」というのは「1泊2食 〇〇円」というもので、パック旅行であれば、飛行機代や移動費、宿泊費等を全て含めての代金となりますので、そこから「宿泊」だけの費用を特定して「宿泊額」とすることは非常に困難で、旅行者自身にも認識が無く、かつ中国内の旅行会社が設定していますので、中国に捜査に行くということも出来ず、相当困難な捜査となりました。
捜査員が努力し、諦めることなく捜査を行った結果、契約を結んでいた旅行会社が他の旅行会社に当該マンションの民泊を斡旋していることが判明し、その費用をして「宿泊額」と特定することが出来ました。
東京に所在する旅行会社の役員を旅館業法で身柄を取るべく出張したところ、マスコミもこぞって待ち構えていたのですが、ここで理由は省略しますが、急転直下、任意捜査となり、泣きながら抗議してくるマスコミなどに説明したことから、朝までかかってしまいました。
しかしながら、任意捜査となったものの、マスコミがこぞって記事にしたり、放映してもらったおかげで、自治体も重い腰をあげて、民泊の実態把握をして対策を取ることとなり、国にあっても民泊に一定のルールを定め、健全な民泊サービスの普及を図るために住宅宿泊事業法の成立を考えるなど、まさしく、保安の捜査の真骨頂ともいえる事件となり、国や行政機関に施策や法の制定を促すきっかけとなったのです。



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