Eva(公益財団法人動物環境・福祉協会Eva)

事実は小説より奇なり

捜査

 死因に誤りが無くても犯罪を見逃してしまうということがあり得ます。海や川に突き落として溺死させるという殺人事件は、いくら解剖を行っても死因は溺死としか言えないのであって、「犯罪性」を見逃せば「事故」や「自殺」として処理されてしまう可能性もあるのです。

 犯罪性を見極めるために聞込みや目撃者探しをするのですが、聞込をした者の全てが犯人であった場合はどうなるでしょうか。

 いつも泥酔しては、あちこちに寝込んでしまう男性が、真冬のある日、路上で死体として発見されました。血中からアルコールが検出され、死因は凍死でした。当然、周辺の捜査をしますが、男性が住んでいたアパートの住人は一様に「あの人はいつも酒を飲んであちこちで寝入ってしまう。」と聞込みに対して答えたために「事故死」として処理されてしまったことがあります。

 3年以上経ってから、アパートの住人の一人が別事件で逮捕され、余罪として殺人事件を自供したことから、前述の事件が殺人事件であったことが判明したのです。

 犯人はアパートの住人全員で、アパートの住人は簡易保険金欲しさに、被害者が泥酔して、いつも路上などで寝込んでいることを利用して殺害を企て、男性に執拗に酒を飲ませ続け、厳寒の路上に放置したのです。

 今でこそ、防犯カメラがあちこちに設置され、簡易保険についても厳格に管理されるようになりましたが、当時はそのような状況では無かったのですが、「聞込み」というのは非常に重要な捜査です。

 聞込み先が犯人と親しい人であったり、家族であるときには、格段に犯罪性を見落とす確率が高くなりますし、質問の仕方によっても大きく左右されることになります。

 「不審者を聞込んで来い。」「おかしいやつがいなかったか聞いて来い。」という捜査指揮を出すと捜査員は犯人を見逃すことになるのです。

 捜査員が「おかしい人が通りませんでしたか。」という聞込みをした場合には、「おかしい人」や「不審者」には、親しい友人や家族は入りませんので、当然、聞込みへの回答は「おかしい人や不審な人は見ませんでした。」「通ってませんよ。」ということになるのです。

 どのような聞込みをさせるのかということは、指揮官や指示を出すものはしっかりと考えて、実行できるような指示をして欲しいと思います。

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