Eva(公益財団法人動物環境・福祉協会Eva)

牽制Ⅱ

刑事

 もちろん、首領は強制捜査をするつもりでしたが、会ったことも無いのにそのようなことを言えるはずもなく、そういう会話をすること自体ありません。まだまだ甘い捜査牽制だったと思います。

 政治家をはじめとして、闇の勢力はたくさんあって、これくらいの牽制は大したことありませんが、組織が大きければ大きいほど蠢く勢力があり、その方法は大変汚いもので、個人攻撃をして士気を削ぐことにもなり、警察組織自体が真偽よりも事が大きくなることを避ける体質であることから、より個人に圧力がかかることにもなります。

 署長は、本部から報告を求められたり、対応をどのようにするのかなどと言われていたみたいですが、署長は私に対して「どうするんや。」と聞いてきましたので、「近々事件にします。」というと「そうか。じゃ無視するわ。」と言い切りました。

 捜査牽制に対しては、組織は守ってくれたり、対応はしてくれないことは十分に分かっており、自分で首領を逮捕して、起訴させることが自己の捜査が正当であることの唯一の証明方法であることから署長にはそのように答えたのです。

 署長も刑事あがりの方で「あうんの呼吸」というか「負けるなよ。」という激励であったのではないかと思います。

 牽制の抗議文が入ってからすぐに、首領である男を「恐喝未遂」で通常逮捕しましたが、本人は当然のことながら否認しますし、犯行現場に居た少年たちも「そんなことは見ていないし、していない。」と首領を庇っていました。

 捜索でも唯一の証拠であった「誓約書」も見つかりませんし、父親らによる抗議牽制と弁護士による接見が続きました。

 極めつけは送致した検察官であり、電話に出た取調官に変わって電話口に出ると同時に「こんなもんで起訴できるか。こんなもん送って来てどうするんや。」とけんか腰の怒号でした。

 今でこそ、事件前に検察官との検討をするようになりましたが、当時は、通常の恐喝未遂くらいで検察官と事件相談して送致することはしていませんでしたので、「起訴率」に拘る検察官らしい電話でもありました。

 検察官から喧嘩を売られましたので、静かに「黙って見とけ。起訴できるように捜査するのが警察や。」と啖呵を切って電話を置きました。

 検察官が怒号したりすることがないかのように思われるでしょうが、警察の捜査や警察官自体を見下したような検察官も結構います。

 この事件とは別に、捜査第二課において特殊詐欺事件を指揮していた際、主任検察官と調整済で、週休日に身柄付きで送致したことがあります。捜査員は朝方まで数日間、不眠不休で被疑者を追いかけていましたので、送致日には仮眠するように命じました。

 当然ながら、帳場にはだれもいなかったのですが、送致を受けた当番検察官に引継ぎが無かったらしく、帳場に電話したところ、誰もおらず、対応した帳場の署員に対して「警察は休めてええな。」と捨て台詞で電話を切られたことがありました。

 休みが明けてから検察庁に抗議に行くと刑事部長検事に呼び出されて、私の態度を「看過しがたい。」と上司である捜査第二課長に対して電話で叱責するということもありました。

 本題にもどります。

 結論から言えば、夏の暑い日でした。ある人物から、私自身が取調べをして、二枚の供述調書をあげました。この調書によって、首領であった彼は「恐喝未遂」で起訴されることになりました。

 ある人物に対して、最大限の配慮をしながらも起訴出来るだけの供述調書を作成したのです。詳細については、ここでは省略させていただきますが、機会があれば具体的に話してみたいと思います。

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