日本においては、「登記所」というところがありませんので、その事務は、法務局が担っており、法人登記などをあげる場合は、法務局に出向くことになります。
登記には、土地や建物といった不動産登記もありますが、会社の登記のことを法人登記と言います。
不動産登記には、「公信力」はありません。「公信力」とは、登記上の表示を信頼して不動産取引をした者は、たとえ登記名義人が真実の権利者で無い場合でも、一定の要件の下で、その権利を取得することが認められていることを言います。
ですので、登記簿などを信用して、登記上の所有者から不動産を買い取っても、真実の所有者に対して、権利を主張することは出来ないのです。
不動産登記に「公信力」が無いのは、登記上の所有者から不動産を買い取っても、文書だけで登記を処理しているので、取引の実態を把握できないからなのだと思われます。
捜査第二課の特捜班長時代に、ある事件の強制捜査に移る用意をしており、捜索差押許可状を取得する必要から、ある捜査員に、法人登記をあげてくるように下命しました。
捜査員は、法務局に赴いて、会社の法人登記をあげようとしたところ、存在していなかったため、経さ登記をあげて、現実に会社が存在しているのかを確認に出かけて、会社の名札が上がっていることなどを写真撮影をして、会社の実態を把握し、戻って来てから、それらを報告書にして、閉鎖登記簿とともに帳場に提出しました。
彼の捜査の力量を把握していたので、「登記簿をあげてくれ。」と下命するだけで、何のために必要かということを理解して、補充の捜査までを行ってくれた結果でした。
センスという一言で片づけるのは簡単なことですが、「仕事の段取り」ということで考えてもらうと良く分かると思います。
疎い捜査員なら、「どこどこにある法務局に行って、法人の登記簿をあげてくれ。閉鎖になっているかもしれないから、照会書の予備も持参してくれ。登記があれば、実際に会社があるか否か確認して、稼働実態も居てきてくれないか。帰って来たら報告書にして、乗っていく車は・・・・。」という指示が必要となります。
捜査の指揮に合理化はないのですが、捜査員の力量を知るということは非常に重要な捜査における戦略となるのです。



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